研究課題/領域番号 |
09740142
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿部 光雄 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (80221729)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 2次元量子重力 / 演算子形式 / ハイゼンベルグ描像 / 厳密解 / 共形アノマリー / BRS対称性 / Field-equation anomaly / ハイゼンベルク描像 / ゲージ独立性 |
研究概要 |
共形ゲージの2次元量子重力をBRS量子化の枠組で定式化し、ハイゼンベルグ描像において厳密解、即ち全ての厳密なn点関数、を構成した。他のゲージにおいて見い出された新しいタイプのアノマリーが共形ゲージでも存在することを示した。ただし、他のゲージとは異なり共形ゲージではこの新しいアノマリーはストリング理論の臨界次元D=26で消失する。しかしながら、このことは共形アノマリーがD-26に比例することとは必ずしも同値ではないことを明らかにした。この成果は論文“D=26 and Exact Solution to the Conformal-Gauge Two-DimensionalQuantum Gravity"として発表した。 上記の共形ゲージの2次元量子重力理論を有限な長さを持つストリング理論に拡張した。特にオープンストリングの場合は加藤・小川理論に他ならない。加藤・小川はB場をラグランジュアンレベルで消去することにより、理論を本質的に自由場理論に帰着させた上でBRS電荷の冪零性とストリングの臨界次元の関係を明らかにしたが、我々の定式化ではB場を消去することなく議論することができる。その結果、加藤・小川がB場を消去するために用いた場の方程式自身がアノマリーを持つことと、明白にアノマリーを持たないBRS電荷が定義可能であることが明らかになった。また、加藤・小川の自由場理論に基づく定式化では不可避であったFPゴースト場に対する特殊な真空構造の導入は、我々の定式化では不要であることも示された。この成果は論文“Construction of an Identica11y Nilpotent BRSCharge in the Kato-Ogawa String Theory"として発表予定である。
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