研究課題/領域番号 |
09740169
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
服部 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90281964)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 観測的宇宙論 / 重力レンズ / 銀河団 / X線天文学 / 光学天文学 / ミリ波サブミリ波天文学 / 数値シミュレーション / X線天文観測 |
研究概要 |
以下にまとめた研究活動を通して銀河団の質量分布の進化について非常に興味ある知見を得る事ができた。又自身によるこれら一連の研究成果を含めた関連分野の現時点での到達点と積み残された課題について研究発表リストの7番目に挙げた論文にまとめた。 1. 重力レンズ効果を用いた方法とX線観測を用いた方法の二つの独立な方法による銀河団の質量分布測定の結果が良く一致することを示した。この結果は、一般相対論とニュートン重力理論という二つの重力理論を銀河団という巨大なスケールにまで拡張して使用することに対して観測的な証拠を与える重要な結果である。 2. ダークレンズ探査の提唱とX線観測を用いた実践により、非常に遠方の大規模構造を発見する上でダークレンズ探査が有力であることを示した。 3. サブミリ波という新しい波長域での世界最先端の観測装置を用いて銀河団を観測し、理論的にSunyaev-Zel'dovich効果として存在が指摘されていた銀河団のサブミリ波域での輝度上昇の世界初検出に成功した。この成果は研究発表リスト5番目に挙げた論文で発表された。この結果はサブミリ波での銀河団の観測結果が、宇宙論や銀河団の物理状態を解明する上で非常に有益な新しい知見をもたらすことを実例をもって証明した。 4. 研究発表リスト4番目の論文では、銀河団による重力レンズ効果を用いた宇宙項の新しい測定方法を提案した。 5. この間、研究の次の新たなステップへの発展に向けて着々と準備を進めてきた。宇宙論的磁気流体シミュレーション用数値計算コードの開発、ミリ波サブミリ波検出器開発に関わる基本実験及び光学系設計等がそれである。
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