研究課題/領域番号 |
09740173
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太田 耕司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50221825)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 宇宙X線背景放射 / 活動銀河中心核(AGN) / クエーサー / AGNの統一モデル / X線天文学 / 活動銀河中心核 / 銀河団 |
研究概要 |
昨年度は、ASCA広域X線源探査において検出されたX線源の可視対応天体の候補を選定し、その性質を調べることを行なったが、今年度はその可視分光観測を行なった。34個のX線源のうち、22個は1型の活動銀河中心核(あるいはクエーサー)(以下AGN/QSO)、7個は2型AGN(但し1型と2型の両方が同定されたX線源が1つある)であることがわかった。その他に、銀河団2個、星が1つ同定され、未同定は3つである。X線でハードなスペクトルを示すX線源は、2型AGN/QSOであることがわかり、宇宙X線背景放射の最近のモデルが定性的に正しいことを強く示唆する結果が得られた。1型のAGN/QSOの宇宙X線背景放射への寄与は、1.0x10^<-13>erg s^<-1>cm^<-2>(2-10keV)まででは約10%であり、2型は1.7x10^<-13>erg s^<-1>cm^<-2>(2-10keV)までで約3%であった。宇宙X線背景放射を1型と2型のAGN/QSOで説明しようというモデルとの定量的な詳しい比較はまだ観測データが少ないこと、モデルにもいくつも改良点があることなどから今後の課題となるであろうが、この結果により以前よりかなり強い制限がつけられた。同定されたAGN/QSOの性質を詳しく調べた結果、1型AGNでは有為な吸収がみられないが、2型については中性水素ガスの柱密度で10^<22-23>cm^<-2>に相当する吸収が見られた。また、2型AGNには高赤方変位のものは少なくX線光度の大きなものも少ない。このことはAGNの統一モデルの単純な予想には反しており、2型のAGN/QSOは昔は少なかったか或は明るいものはないことが示唆される。 深宇宙探査の可視同定については、やまねこ座領域で8個のX線源について同定したが、5個は1型、1個は2型、、1個は銀河団、1つは未同定であった。この結果は上で得られた結果と矛盾せず、宇宙X線背景放射の起源について同様の制限をつけることができた。
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