研究課題/領域番号 |
09740208
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
河野 宏明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80234706)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 相対論的原子核理論 / くりこみ群 / 有効ラグランジアン / σ-ω横型 / 核物質 / σ-ω模型 |
研究概要 |
今年度の研究はほぼ計画どおり進行した。得られた主な成果は以下のとおりである。まず、量子ハドロンカ学に対し、非摂動くりこみ群方程式が導かれた。次に、この方程式を数値的に解く事で有効ラグランジアン(ポテンシャル)の発展が解析された。この解析により、低次の相互作用の結合定数が、高エネルギーにおける量子効果に支配され、低エネルギーにおける量子効果には、ほとんど影響されない事が示された。この事により、離散γ_5対称性(離散カイラル対称性)が量子ハドロンカ学の有効ポテンシャルにおいて近似的に存在し得る事が示された。さらに、低次元相互作用の結合定数の高エネルギー量子効果による支配は、非摂動くりこみ群方程式を低エネルギーにおいて1ループ近似する事を正当化した。この近似により、非摂動くりこみ群方程式から、相対論的原子核理論におけるハートレイ近似、核子自己エネルギーに対するFock補正が近似、中間子自己エネルギーにおける乱雑位相近似、さらに結合定数に対するvcrtex補正が整合的に導かれた。これらの近似を用いて、現象論的な解析がなされた。まず、ハートレイ近似を用いた計算により、核物質における近似的な離散γ_5対称性が解析された。その結果、核物質において近似的な離散γ_5対称性が回復し、核子の有効質量が減少すると共に、σ中間子の自己相互作用の奇数項が小さくなる可能性がある事が示された。次に、中間子自己エネルギーにおける乱雑位相近似を用いて、分散関係が議論された。さらに、同じ近似で中間子質量の密度依存性が議論された。その結果、中間子の質量の密度依存性は核子の有効質量と強い関係がある事が示された。以上の結果は、日本物理学会や京都大学におけるYITP-Workshopで発表され、また、一部は論文としてまとめられている。(研究発表参照。)
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