研究課題/領域番号 |
09740247
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
近藤 久雄 愛媛大学, 理学部, 助手 (70274305)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 混晶 / イオン移動 / 準安定状態 / タリウム型不純物 / 励起子 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、熱力学的に準平衡状態にある固体中の構成原子(イオン)移動に関する研究を行った。 試料はアルカリハライド単結晶、及びそのハロゲンを変えた混晶系を対象とした。混晶系に関しては、薄膜化することによって、通常は相分離して混晶化しないようなアルカリハライド混晶を作製した。 単結晶試料の劈開表面にレーザー光を照射し、表面からの原子離脱を観察した。照射後の表面の観察から原子離脱の量が判定できるように、照射光に空間的強度変調を持たせて測定した。その測定の結果、表面からの原子離脱が生じるための励起光強度にはある閾値が存在することが明らかになった。さらに、この閾値とアルカリハライド原子(イオン)当たりの結合エネルギーとの関係を、他の半導体の場合と比較することで、共通の関係が存在することが明らかになった。これらの結果から、光励起による表面原子離脱現象には物質に依らない共通の素過程が関与しているものと考えられる。 また、混晶薄膜結晶にタリウム型不純物を添加し、その吸収スペクトルと混晶比との関係を調べた。タリウム型不純物に起因する吸収帯はその不純物のまわりの環境に大きく影響されるので、その吸収帯のスペクトル形状を詳細に解析することにより、不純物のまわりのハロゲンイオンの種類を判別することができる。本研究では、混晶比を変えた場合の不純物吸収帯の変化に着目した。その結果、タリウム型不純物のまわりのハロゲンイオンは混晶比に一致せず、ある混晶比を境に、まわりのイオンの種類を急激に変えていくことが明らかになった。これは不純物がイオンを選択的にまわりに引きつけているためと考えられる。
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