研究課題/領域番号 |
09740273
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
島津 佳弘 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (70235612)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 強磁性トンネル接合 / 磁気抵抗 / 超伝導 / 磁性薄膜 / 保磁力 / STM |
研究概要 |
1. 強磁性体電極の材料となるCo薄膜の保磁力の膜厚依存性を室温から約2Kまでの範囲で明らかにした。その結果を利用して、厚さの異なるCo薄膜を両電極とする強磁性トンネル接合を作成し、トンネル磁気抵抗効果が明瞭に観測できることを示した。 2. 強磁性-超伝導-強磁性トンネル接合であるNi/Al-Al_2O_3/Co接合で観測された非単調な磁気抵抗を、Al薄膜の超伝導の効果(エネルギーギャップと電気抵抗の磁場依存性)によって説明した。通常のトンネル磁気抵抗効果による磁気抵抗のピークも同時に観測されたが、超伝導転移に伴い、そのピークの幅と高さが変化する現象を観測し、この原因について考察した。 3. 超伝導-強磁性接合であるAl-Al_2O_3/Ni接合の磁気抵抗が、Al薄膜の超伝導転移温度以下で面内の磁場方向に依存すること、及び、ゼロ磁場に戻したときの抵抗に印加磁場方向に関するメモリー効果がみられることを観測した。この結果を、強磁性電極の端部での漏洩磁場によって説明した。 4. 強磁性-常磁性-強磁性2重トンネル接合においては、トンネル電流によって引き起こされる常磁性アイランド上のspin accumulationによってTMRが生じることが予測され、いくつかの理論的研究が行われているが、実験的にはまだ十分に検証されていない。そこで、強磁性-常磁性-強磁性2重トンネル接合のトンネル磁気抵抗を調べることを目的として、良好なトンネル接合試料を作成条件の研究を進め、トンネル磁気抵抗の温度依存性とバイアス電圧依存性を測定した。
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