研究課題/領域番号 |
09740282
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 克哉 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70283736)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 希ガス / 超高圧 / 金属化 / 電気抵抗 / 超伝導 / ダイヤモンドアンビルセル / 圧力誘起相転移 / 絶縁体-金属転移 / 電気抵抗測定 |
研究概要 |
本年度は実際に希ガスのキセノン(Xe)を高圧装置(DAC)に封じこみ、超高圧力下実験を行った。キセノンは閉殻電子構造を持ち、結晶構造及び電子構造ともに最も単純な絶縁体の一つである。超高圧力下に於いて絶縁体-金属転移を研究する上で最も基礎的かつ重要な情報を与えると考える。過去に別の研究者からキセノンの金属化については2,3の報告がある。それらはいずれも光学的な測定によるものであるが、130〜150GPaの圧力域で金属化を報告している。それに対して、本年度に行った我々の電気抵抗測定による金属化の検証は、より直接的な実験といえる。 キセノンは常温常圧で気体であり、低温状態で液化させて封止するが、液体状態を取る温度域が161K〜165K(融点〜沸点)と非常に狭いため、正確な温度制御が必要であり、昨年度製作した低温封止装置を使用した。100GPa超の超高圧を発生するためにDACに用いるダイヤモンドの圧力発生先端面は直径50ミクロンを使用し、その面内約30ミクロン径の穴を作成し試料室とする加工技術を確立した。低温でキセノンを封じ込めたDACを室温まで昇温した後、顕微鏡で観察しながら加圧を進めた。 圧力が100GPaを超えた付近で試料のキセノンが赤みを帯び、光学測定から金属化臨界圧とされた130GPaまで加圧を進めたが、電気抵抗は測定器(デジタルマルチメータ)の測定限界抵抗(300MΩ)より大きく、測定できなかった。さらに顕微鏡観測からは試料の赤色は濃くなったものの透過光が観測され、キセノンは130GPaにおいても金属化せず、過去の光学測定による報告と反する結果となった。さらに圧力を上げていくと200GPaでは透過光が全く観測できなくなったが、最終的にダイヤが割れた270GPa付近まで300MΩ以下の電気抵抗は測定できなかった。電極断線の疑いもあるが、少なくとも200GPa付近が金属化圧であろうと結論した。昨年度に行ったCsIの結果と比較すると、CsIは約110GPaで金属化が確認できた。ほとんど同じ(電子)構造・体積圧縮率を持つキセノンが2倍近い金属化圧をもつことは興味深い。 本研究の過程に於いて世界最高の270GPaに至る超高圧発生と電気抵抗測定技術を確立したことで、究極の目標である水素の金属化に大きく近づいたといえる。
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