研究課題/領域番号 |
09740287
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
下條 冬樹 広島大学, 総合科学部, 助手 (60253027)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 非金属・金属転移 / カルコゲン / セレン / テルル / ルビジウム / 第一原理分子動力学法 / 液体 / シミュレーション / イオウ / クラスター |
研究概要 |
液体カルコゲン(セレン、テルル)は、2配位共有結合を持つ鎖状高分子からなる液体である。液体セレンは、低温においては半導体的性質を示すが、温度を上昇させていくと、鎖状高分子が短くなるのに伴い金属状態になる。一方、液体テルルは、融点直上から金属的性質を示し、半導体への転移は、300℃以下の過冷却液体において起こる。前者(液体セレン中の非金属・金属転移)に関しては、平成9年度に行った研究により、そのミクロな機構を明らかにした。本年度では、低温においても金属的性質を示す液体テルル中における、鎖状構造の安定性と電子状態の関係を明らかにするために、アルカリ・テルル混合系の第一原理分子動力学法による計算機シミュレーションを行った。その結果、アルカリ添加に伴い、テルル鎖が安定化され平均鎖長が長くなると共に、テルルの金属的性質が失われていくことを示した。 本研究により、明らかになったことは、「液体カルコゲンの半導体・金属転移は、鎖状構造の変化と深く関係しており、平均鎖長が短くなると、鎖端に大きな振幅を持つフェルミレベル近傍の状態が増え、金属的性質を持つようになる」ということである。液体セレンの場合、セレン鎖は比較的安定であり、鎖状高分子の切断は、ある程度の高温にならないと起こらない。しかし、液体テルルの場合、セレンに比べ鎖内の共有結合が弱いため、融解と同時にテルル鎖の切断が起こる。融点直上で平均鎖長は数個程度になり、低温でも金属的性質を示すことになる。また、本研究では、アルカリ原子からテルル鎖に移った余剰電荷の空間分布を求めることにも成功し、実験結果の解釈に、重要な指針を与えた。
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