研究課題/領域番号 |
09740289
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
加賀山 朋子 熊本大学, 工学部, 講師 (40274675)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高圧 / 非フェルミ液体 / 重い電子系 / 電気抵抗 / 反強磁性 |
研究概要 |
CeやUを中心とした金属間化合物は、不安定なf電子を持つため、電子状態が温度、圧力、磁場などの外力のもとで大きく変化することが知られている。重い電子系物質などの電子状態は圧力下において、その大きな特徴である有効質量が次第に小さくなっていき価数揺動状態を経て通常金属的な振る舞いへとクロスオーバーしていく。低温ではフェルミ流体として記述されるこれらの物質の電子状態は、例えば電気抵抗の温度依存には温度の自乗として現れる。申請者はこれまで、多くのCe、U化合物について圧力下で電気抵抗の温度依存や熱膨張を詳細に調べ、圧力誘起のクロスオーバーを定量的に特性エネルギー(近藤温度T_K)の体積の関数として記述することにより、統一的に取り扱うことに取り組んできた。ところが最近、f電子系化合物の中に低温でフェルミ流体的な振る舞いを示さないもの(non Fermi liquid、NFLと略記)がいくつか発見され、その発現機構が活発に議論されている。NFL状態は置換系化合物のごく狭い領域で観測されており、その不安定性から圧力変化に敏感であることが予想される。本研究では、典型的なNFL物質として知られているいくつかの物質について、高圧下において電気抵抗、熱膨張を精密に測定することによって、磁気転移点やT_Kの圧力依存との相関を明らかにし、NFL状態の高圧下での安定性に関する知見を得た。
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