研究課題/領域番号 |
09740299
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
神田 晶申 理化学研究所, ナノ電子材料研究チーム, フロンティア研究員 (30281637)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 微小トンネル接合 / クーロン・ブロッケイド / 単一電子帯電効果 / フラクソイド量子化 / クローン・ブロッケイド / アンドレーエフ反射 |
研究概要 |
本年度の研究の成果は以下の通りである。 1、 希釈冷凍機内の配線のすべてをノイズ除去効果の高い高抵抗同軸ケーブルに交換することにより、昨年度観測されていたphoton-assisted tunnelingの効果を除去することに成功した。 2、 中間電極が極微小超伝導リングからなる常伝導体-超伝導体-常伝導体単一電子トランジスタ(NSN-SET)において、クーロン振動の振幅が超伝導リングを流れる超伝導電流の大きさに依存することを見い出した。これは、超伝導電流の運動エネルギーによって超伝導凝縮エネルギーが小さくなることと関連していると思われる。詳細なメカニズムを検討中である。 3、 半径が200nm、線幅が60nmの極微小超伝導リングにおける超伝導量子状態間遷移を、SN接合によるエネルギーギャップ測定によって調べた結果、超伝導転移点近傍で理論では予測されていない「ヒステリシスのない超伝導量子状態間遷移」を観測した。極細超伝導線の量子位相揺らぎが原因であると考え、その検証のための実験を計画している。 4、 微小SN接合による局所的なエネルギーギャップ測定を利用して、微小超伝導ディスク内の渦糸の配置について考察した。 SNS-SET構造において、中間電極(常伝導体)内の電子の干渉性が電気伝導に及ぼす影響を調べる研究では、独自の改良型斜め蒸着法によって、常伝導リング上に超伝導体を付着させ、試料を作製することに成功した。しかし、希釈冷凍機の故障によって、十分な実験及び考察を行なうには至っていない。
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