研究課題/領域番号 |
09740317
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
那須野 悟 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90228073)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 粉体 / 摩擦 / スティック・スリップ / 複雑系 / 地震 / 流動化 / 非平衡相転移 / トライボロジー |
研究概要 |
粉粒体層に剪断応力を加えたとき、如何に振る舞うのかという問題は、摩擦のメカニズムや粉粒体のダイナミクスの本質を理解する上で非常に重要であるばかりでなく、化学プラントなどの工学的応用や地震・地滑りなど地球物理の分野においても重要な問題である。我々は、剪断応力下の粉体層の示す様々な振る舞いを、これまでにないほどの高い精度で測定を行うと同時に、個々の粒体粒子の運動も観測することで、ミクロとマクロ両面から調べた。 実験は、70〜100μmのガラス球から成る粉粒体の層(厚さ2mm)を2枚の板で上下で挟み、上の板(重さM)をバネ定数kの板バネを通して一定速度Vで下の板に対して平行方向に駆動することで剪断応力を加えるという方法で行った。剪断応力を総体層に確実に伝えるために板の表面は粗く仕上げてある。実験の結果以下のことが明らかとなった。 1. 駆動速度Vが小さいとき、粉粒体層の上部境界層領域が周期的に流動化と固相化を繰り返すことにより、上板は滑りと静止を交互に繰り返すstick-slip運動をする。さらにVを増していくと、より大きな振幅での滑らかな振動的運動状態を経て、最終的に粉粒体層の上部境界層領域が定常的に流動化した定常的滑り運動へと転移する。 2. 制御パラメータに依って、周期的stick-slipと不規則なstick-slipが生じ得る。 3. 周期的stick-slip運動におけるslipのダイナミクスは駆動速度Vに依らない。また、粉粒体層により上板に与えられる摩擦力は滑り速度dx/dtに対して多価関数となっている。 4. stick-slip運動のstick期間にも、粉体粒子の局所的な再配置運動が生じており、この様な動きが生じる確率はslipの始まりが近づくにしたがって急速に増加する。このミクロな再配置の繰り返しは、非常にゆっくりとしたマクロなcreep運動をもたらす。これらの現象は、slipの前兆現象として興味深い。
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