研究課題/領域番号 |
09740335
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 一様等方性乱流 / 渦度伸長 / アラインメント / パッシブベクター / 乱流 / 渦構造 / 非線形性の逓減 |
研究概要 |
簡単な境界条件の下での3次元ナビエストークス方程式に従う渦度の振舞は、引き伸ばしの結果、空間的に線状に極在した構造をとることが知られている。その際、重要なのはビオサバール則によって渦伸長項に課される非線形性の拘束である。このため、渦度は変形テンソルの(最大ではなく)中間の固有値に対する固有ベクトルの方向に束縛される幾何学的傾向がある。 そこで、本研究では、渦伸長過程を特徴づけるために、渦度と同形の線形方程式に従うパッシブベクターを考え、その伸長過程を渦度伸長とを直接数値計算によって詳細に比較した。 まず、渦度とパッシブベクターの初期値においてフーリエスペクトルを等しくとり、個々の振幅や位相が異なるようにとった。行われた数値計算の全てにおいてエンストロフィーよりもパッシブベクターの2乗ノルムの方がより激しく増加することが判明した。 この違いを説明するため、まず、両ベクトルの変形テンソルに関するアラインメントの統計性質を吟味した。その結果、パッシブベクターの伸長に関しては、渦度の場合より最大固有値に対応する固有ベクトルへのアラインメントがより大きく寄与していることが判明した。 また非粘性流に対しても、同様の数値計算を行い、渦度の増加はパッシブベクターよりも制限されたものになっていることを示した。この場合、ラグランジュ的性質が重要となるので、物理空間の座標とラグランジュ座標の間のヤコビアン行列も同時に数値的に評価を行った。このヤコビアン行列を用いて新たなアラインメントの問題を導入し、数値データの解釈を行った。
|