研究課題/領域番号 |
09740371
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡部 直樹 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50271531)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 氷星間塵 / アモルファス氷 / 水素分子生成反応 / 星間水素分子 / 紫外線誘起反応 |
研究概要 |
本研究の目的は、アモルファス氷星間塵上での水素分子生成機構の解明である。そのうち、期間内にアモルファス氷への紫外線照射による水素分子生成を定性的、かつ定量的に調べ、その生成メカニズムを明らかにした。具体的には以下の通りである。 1. 紫外線照射による水素分子生成の確認:10K基板に蒸着法により生成されたアモルファス重水氷に126nm、172nmの紫外線を照射し、昇温脱離法により光反応生成物を分析した。その結果、重水素分子の生成が確認された。 2. 重水素分子の生成メカニズム:生成量の波長依存性、光量依存性を調べたところ、重水素分子は、重水分子の第一電子励起状態を経由した、1光子過程の光反応により生成されることが強く示唆された。 3. 重水素分子生成量の定量化:氷厚、紫外線照射時間を変えて生成量の変化を調べた。生成量は50〜150Åの範囲で膜厚に比例し、照射時間40分付近で飽和を始め、120分(星間空間10^6yに相当)で生成量は重水分子の数%になった。この照射時間の範囲では逆反応は観測されなかったことから、生成反応は氷固体内部よりも、むしろ氷内部の裂け目や孔の表面で起きているものと考えられる。以上のことから、紫外線による水素分子生成は星間空間で支配的とは言えないまでも無視できない過程であり、星間空間で観測された「氷内水素分子」の生成過程として有力な生成反応であることが分かった。
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