研究課題/領域番号 |
09740394
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小島 知子 神戸大学, 理学部, 助手 (80281137)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 炭素質コンドライト / アエンデ隕石 / 水質変成 / 隕石母天体 / 粘土鉱物 / カンラン石 / 輝石 / 層状珪酸塩 / かんらん石 |
研究概要 |
昨年の研究を継続し、一規定塩酸、純水を用いた水熱合成実験から得られた生成物の観察、分析を行った。もちいたソリューションのpHの違いにより、二次生成物である粘土鉱物の組成が異なることがわかったが、これは、初生鉱物の分解過程とそれに伴うソリューションの組成変化に差が生じるためではないかと思われる。また、走査型電子顕微鏡と電子線マイクロプローブで分析を終えた微小部分を取り出し、高分解能透過型分析電子顕微鏡で観察した。その結果、生成した粘土鉱物は板状やカールした繊維状など様々な結晶形態を示すことが明らかになった。このような粘土鉱物の形態の違いは、それらがどの初生鉱物(カンラン石、輝石、斜長石、ガラスなど)を交代しているかの違いに関係している。一規定塩酸での変成において、輝石の結晶は板状の粘土鉱物によりトポタクティックに交代されるのに対し、ガラスやカンラン石はランダムな結晶方位を持つ繊維状の粘土鉱物に交代される。純水を用いた実験では塩酸の場合に比べ反応の速度が遅く、力ンラン石でもトポタクティックな交代が起こるが、これは実際に水質変成を受けた隕石に見られる微細組織と非常によく似ている。隕石の母天体では、中性に近い水溶液により、比較的ゆっくりとした速度で長い時間をかけて変成が起こったと考えられる。以上のような結果は6月に行われた国立極地研究所主催の隕石シンポジウムで一部発表した。また、学位論文の一部として提出し、9月に神戸大学より学位を授与されている。高分解能電子顕微鏡による分析では、鉱物と水の反応の微視的メカニズムを考える上でも興味深い結果を得ており、現在学術雑誌への投稿準備中である。
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