研究課題/領域番号 |
09740406
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋爪 光 阪大, 理学(系)研究科, 助手 (90252577)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 微小領域 / レーザビーム / 赤外線ビーム / 窒素同位体 |
研究概要 |
微小領域における窒素・炭素・希ガスの抽出・同位体分析システムを構築するために必要な部品の開発を行った。窒素や炭素の同位体比を分析する上で、最大の問題点は生物起源の有機物の付着による汚染である。本研究において局所分析はレーザを用いて行うが、レーザでは試料の温度を比較的低温で制御することが不可能なので、上述の汚染成分の寄与が問題となる。汚染成分を除去するために、赤外線ビームと非接触赤外線温度計を用いてレーザによる試料ガスの抽出のための前処理-局所段階燃焼-を行うことを計画した。赤外線導入部及び非接触赤外線温度計を自作のガラス反射板と組み合わせた温度制御可能な赤外線局所加熱部品を製作し、試料を加熱するのに現有のレーザ加熱装置と併用した。この部品の赤外線ビームは赤外線導入ロッドの約5mm直下において、半径2-3mmの範囲を200-800度の温度で加熱でき、汚染成分を除去するのに足りる性能を持つことがわかった。局所分析において、レーザによる抽出を行う前に対象試料を入念に鉱物観察することが必須である。同じ試料面に対して鉱物観察と同位体分析の両方を行うのが理想的だが、鉱物観察用の研磨面を制作する過程で用いる有機系樹脂が窒素・炭素分析に悪影響を与えることが強く懸念されたので、試料をスライスし向き合う面をそれぞれ鉱物観察用と同位体分析用に用いて後者には有機系樹脂を用いないことにした。本年度においては、この様な準備手続きを縞状鉄鉱床と呼ばれる岩石試料に対して用いた。鉱物観察用の薄片を入念に観察することによりそれと対を成すレーザ用試料中の鉱物組成がかなりの精度で推定可能であることがわかった。以上の作業により局所窒素炭素同位体分析に向けた方法論を確立した。上記試料に対して全岩窒素同位体分析を行ったが、局所分析は質量分析計の予期せぬトラブル(フィラメントの破断)により実施が遅れており、現在分析計の性能回復作業に取り組んでいる。
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