研究課題/領域番号 |
09740483
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 正明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260033)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 多電子移動 / 多核錯体 / オキソ架橋 / 自己組織化 / 金電極 / ルテニウム / 鉄 / 酸化還元 / 電極 / 単分子層 / ルテニウム錯体 / 鉄錯体 |
研究概要 |
本研究課題では、多電子移動過程を示すオキソ架橋多核錯体を自己組織化法により電極表面上へ単分子層化し、その酸化還元挙動を調べた。本研究では申請者らが合成、構造、酸化還元挙動、配位子置換反応性などを詳細に調べてきたオキソ架橋ルテニウム(III)二核錯体やルテニウム(III)三核錯体などの多核金属錯体、オキソ架橋鉄(III)二核錯体などの生体金属酵素の活性中心モデル錯体を金電極界面へ組織化し、金属クラスターについてpH、電位、光応答型単分子層の構築を行った。 (1) 配位子および多核錯体の合成 金電極表面へ錯体を自己組織化するため、ジスルフィド基を含む配位子を用いた。(2)錯体の金電極表面への自己組織化 単離した錯体を含む溶液へ金電極を浸漬(Ru錯体で2-3週間、鉄錯体で15時間程度)させることにより、錯体がAu-S結合で金電極上へ固定化された修飾電極を得た。(3)Ru三核錯体の金電極表面での酸化還元応答 ピリジンおよびイミダゾール誘導体配位錯体では可逆な1電子酸化還元波が観測された。酸化還元電位は配位子の種類や支持電解質に用いたアニオンの種類に大きく依存した。一方、三核錯体のひとつの配位座にカルボニル基を導入したCO配位錯体では、光照射に伴いCO配位子が解離し、三核錯体の酸化還元電位が大きく負電位側ヘシフトした。CO脱離反応は錯体の酸化によって進行することも確認された。さらに酸化還元に伴う電極上の三核錯体の電子状態の変化を赤外スペクトルのCO伸縮振動をプローブとして追跡することもできた。(4)鉄およびルテニウムニ核錯体 架橋オキソイオンへのプロトン化に伴う酸化還元電位の変化が既に詳細に調べられている。金電極表面へ自己組織化した二核錯体でも、極めてこれと類似した電位-pH依存性を示すことがわかった。ただし、自己組織化系と溶液内分子にみられるオキソ部位の微妙なpKaの違いの解釈については今後の検討を要する。
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