研究課題/領域番号 |
09740487
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川口 博之 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20262850)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | スルフィド錯体 / セレニド錯体 / チオラート錯体 / セレノラート錯体 / 炭素-硫黄結合切断 / 環化付加反応 / 酸化反応 |
研究概要 |
(1) 第4-7族遷移金属を用い、有機補助配位子(Cp^*=C5Me5)をもつ半サンドイッチ型チオラート錯体を合成し、その炭素-硫黄結合切断反応による単核スルフィド錯体の合成を行なった。第4族遷移金属ジルコニウムでは、Cp^*ZrC13とLiSCMe3の反応からCp^*Zr(SCMe3)3(1)を得た。錯体1の炭素-硫黄結合切断反応を検討したがスルフィド錯体は得られなかったが、Li2S2との反応では硫黄のZr-S結合への挿入が起こりCp^*Zr(SSCMe3)(SCMe3)(2)が得られた。第5族遷移金属タンタル錯体を用いた反応ではCp^*Ta(S)(SCMe3)2(3)が得られた。反応過程で炭素-硫黄結合切断反応が起こっている。一方、第6族遷移金属タングステンでは金属中心の還元が起こり、タングステン(IV)錯体Cp^*W(SCMe3)3(4)を生成する。続いて炭素-硫黄結合切断が起こり、Cp^*W(S)2(SCMe3)(5)を生成する。第7族遷移金属レニウムを用いて同様に反応させたところ、金属中心の還元が起こりCp^*Re(SCMe3)3(6)が得られたが、錯体4で見られたような炭素-硫黄結合切断反応は見られなかった。 (2) (1)で得られた錯体3および5をLi2S2と反応させたところ、チオラート配位子の置換反応が起こり[Cp^*M(S)3]n-(M=Ta,n=2(7);M=W,n=1(8))が得られた。 (3) 末端セレニド配位子を持つ錯体の合成を目的とし、Cp^*WC14をLiSCMe3およびLi2Se2の反応を行なった。反応過程で炭素-セレン結合切断がおこり、続いてセレノラート配位子のLi2Se2による置換反応により、[Cp^*W(Se)3]-(9)を得た。
|