研究概要 |
金属イオン(Cu(I),Ag(I),Rh(I))と2種のロッド型有機系配位子(1,4-ビス(4-ピリジル)ブタジィン (4-pbd)ならびに1,4-ビス(4′-ピリジルエチニル)ベンゼン(2-pbd))を用いて新規な金属錯体ポリマーを系統的に合成し、その分子構造を明らかにした。 (1) 4-bpbを用いたCu(I)ならびにAg(I)金属錯体ポリマーの構築と分子構造 [Cu(CH_3CN)_4]PF_6,AgCF_3SO_3ならびAgClO_4と4-pbdを反応させ、{[Cu_2(4-pbd)_3(CH_3CN)_2](PF_6)_2}_n(1), {[Ag(4-pbd)](CF_3SO_3)}_n。(2),{[Ag(4-pbd)](ClO_4)}_n(3)の単離・構造決定を行なった。錯体1はCu原子が4-pbdの両端のピリジン環のN原子に順次橋かけされジグザグ型のはしご型一次元無限鎖構造を形成し、この一次元無限鎖がさらにお互い絡みあい、interwoven二次元シート構造を形成している。また錯体2および3はAg原子が4-pbdの両端のピリジン環のN原子により順次橋かけされ、直線型一次元無限鎖構造を形成している。 (2) 2-bpbを用いたCu(I)ならびにAg(I)金属錯体ポリマーの構築と分子構造 [CU(CH_3CN)_4]PF_6ならびにAgCF_3SO_3と2-pbdを用いて金属錯体ポリマーの合成を試み、{[CU(2-pbd)]BF_4}_n(4)および{[Ag(2-pbd)CF_3SO_3]}_n(5)の単離・構造決定を行なった。錯体4はCu原子が2-pbdのピリジン環の両端のN原子により順次橋かけされ3次元ネットワーク構造を形成しており、また錯体5は各々のAgが2-bpdの両端のピリジン環のN原子により順次橋かけされ螺旋状に1次元鎖構造を形成し、さらにこの1次元鎖がCF_3SO_3により橋かけされて2次元シート構造を形成している。 (3) 4-pbdを用いたRh(I)錯体金属のポリマーの構築と分子構造 [Rh(cod)_2]X(cod=1,5-シクロオクタジエン;X=BF_4,PF_6)を用いて金属錯体ポリマーの合成を試み、{[RF(4-pbd)X}_n(X=BF_4(6);PF_6(7))の単離・構造決定を行なった。錯体6および7はRh原子が4-pbdの両端のピリジン環のN原子に順次橋かけされジグザグ型の一次元無限鎖構造を形成している。
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