研究概要 |
異種配位子C_5Me_5/ERをもつ一連の二価サマリウム錯体[(C_5Me_5)Sm(EAr)(C_5M_5)K(THF)_2]_∞(ER=OC_6H_3^iPr_2-2,6,OC_6H_2^tBu_2-2,6-Me-4,SC_6H_2^iPr_3-2,4,6,N(SiMe_3)_2)を合成し、スチレンとエチレンの共存下でのブロック共重合に対する触媒活性を比較検討した。チオラート配位子SC_6H_2^iPr_3-2,4,6をもつ錯体は共重合に対し最も高い選択性を示し、ホモポリマーがごく少量しか生成せず、対応するブロック共重合体を選択的に与えた。アリールオキシド配位子の場合、OC_6H_3^iPr_2-2,6をもつ錯体がより立体的に嵩高いOC_6H_2^tBu_2-2,6-Me4をもつものと比べ高い反応性を示し、またスチレンモノマーの仕込み量が同じ場合ではポリスチレン含有量の高い共重合体を与えた。さらに、これらの重合反応で得られた共重合体中のポリスチレン含有量がスチレンモノマーの仕込み量の増加と共に上昇し、事実上任意に調節することかできることがわかった。一方、トリメチルシリルアミド配位子N(SiMe_3)_2をもつ錯体の場合は、同様な条件下で共重合体がほとんど得られず、ホモポリスチレンのみが生成した。このように、スチレンとエチレンの共重合において錯体のER配位子が触媒活性やポリマーの成長などに強い影響を及ぼすが明らかになった。
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