研究課題/領域番号 |
09740521
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
坪井 泰之 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (00283698)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | レーザーアプレーション / 有機薄膜 / ポリビニルカルバゾール / シルクフィブロイン / 光増感反応 / βシート構造 / レーザーアブレーション / 磁場効果 / 原子間力顕微鏡 / 有機結晶 / シアノビフェニル |
研究概要 |
1 レーザーアブレーションによる光電導性高分子薄膜の作製 代表的な光電導性高分子であるポリ(N-ビニルカルバゾール)(以下PVCz)を対象に、レーザーアブレーション堆積法を適用し、その薄膜形成に成功した。真空チャンバー内でPVCzターゲットに紫外レーザーパルスを照射し、対置した基板にアブレーション噴出物を堆積させ、薄膜を作製した。 レーザー波長(248、308、351nm)とその光強度(70、300、450mJ/cm^2)を変化させ、薄膜の化学構造を詳細に検討した。その結果、化学的損傷の少ない良質の薄膜を形成する最適の照射条件を見い出した(351nm、300mJ/cm^2)。 薄膜形成機構についても詳細に検討した。アブレーションにより、PVCzが一旦ビニルカルバゾールモノマーに解重合し、基板上で再びPVCzに重合することを明らかにした。 2 レーザーアブレーションによる蛋白質超薄膜の作製 代表的な単純蛋白質であるシルクフィブロインに上述のアブレーション堆積法を適用した。シルクフィブロインは比較的単純なアミノ酸から成り、優れた生体適合性、酵素固定化能力を有し機能性材料として大きく期待されているタンパク質である。反面、良溶媒に極めて乏しく、完全ドライプロセスである本手法による薄膜化の意義は大きい。 上記PVCzの場合と同様に薄膜作製を試みた。351、308nmで作製した薄膜の赤外スペクトルはターゲットフィブロインのものと極めてよく一致し、フィブロインの薄膜形成が確認された。しかしながら、ターゲットに用いたフィブロインはβシート構造を有するのに対し、薄膜の2次構造はランダムコイル型であった。βシート型薄膜の作製を現在目指している。筆者等が最近提案した光増感法や、堆積基板の加熱が有効であると考えている。
|