誘導結合プラズマ質量分析法を用いて、大気中エアロゾル粒子中の元素量を個別に連続的に測定するシステムを開発してきた。本研究では、質量分析装置からの出力信号を高速デジタル処理することによりイオン検出量の時間的変化を高時間分解能で計測する事を実現し、その結果、感度の向上とともに、プラズマ内における粒子のイオン化挙動の微妙な変化を計測することが可能になった。アセンブラ処理などの高速デジタル処理によって、チャンネルトロンからのパルス信号を一定時間毎に計数処理し、メインメモリに一時的に蓄えた後、ハードディスクに保存する。その結果、最短20マイクロセカンドの時間分解能で過渡的な信号を追跡できるようになった。このシステムによって理想的には約1fgの検出限界が達成できることが確認された。
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