研究課題/領域番号 |
09740606
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
林 誠 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50212155)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ペルオキシソーム / グリオキシソーム / 緑葉ペルオキシソーム / 脂肪酸β酸化 / グリオキシル酸回路 / 光呼吸 / 突然変異体 / アラビドプシス |
研究概要 |
グリオキシソームは、高等植物の黄化子葉やセネッセンスした組織に見られるベルオキシソームの一種である。このオルガネラは、脂肪酸β酸化系およびグリオキシル酸回路の各酵素の作用により脂肪から糖新生を行う上で重要な役割を果たしている。本研究は、高等植物におけるグリオキシソームの機能構築を遺伝学的手法によって解析しようとするものである。初年度は、グリオキシソームの主要な機能である脂肪酸β酸化系を欠損するアラビドプシス突然変異体の同定を行った。この突然変異体は、グリオキシソームの機能を維持するために必須な遺伝子に変異が起きたと考えられ、高等植物におけるベルオキシソーム機能構築の制御機構を解析するうえで絶好な実験材料となることが期待された。 平成10年度は、(1)前年度に同定した脂肪酸β酸化系欠損アラビドプシス突然変異体の遺伝学的および生化学的解析、(2)脂肪酸β酸化系酵素のcDNAクローニングおよび抗体作製を行い、以下の結果を得た。 (1) 初年度に得られた突然変異体について遺伝学的な解析を行い、3つの遺伝子座を同定した。これらのうちPED1遺伝子は、脂肪酸β酸化系酵素の一つであるチオラーゼをコードしており、ped1突然変異体は、チオラーゼを持たず、グリオキシソームの形態が異常になっていた。一方、PED3遺伝子座は5番染色体のLFY3近傍に存在しており、ped2突然変異体は、細胞基質で合成された酵素がグリオキシソーム内へ輸送されない変異体であることが明らかになった。PED3遺伝子座については、現在解析中である。 (2) 脂肪酸β酸化系の初発酵素であるアシルCoA酸化酵素について解析を行った。その結果、植物には長鎖アシルCoAと短鎖アシルCoAのそれぞれに基質特異性を持つ少なくとも2種類のアイソザイムが存在することが明らかになり、それぞれの酵素に対するcDNAのクローニングに成功した。
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