研究課題/領域番号 |
09740614
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・構造
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
幡野 恭子 京都大学, 総合人間学部, 助手 (90208520)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アミミドロ / 遊走子 / 網状群体形成 / 細胞接着 |
研究概要 |
アミミドロ遊走子の接着に関与する分子を検出するために昨年度作製した、遊走子を抗原としたモノクローナル抗体を用いて、主に2つのタンパク質について詳しく解析した。 遊走子に特異的に出現する34kDaのタンパク質を発見した。イムノブロット解析により、34kDaタンパク質は、遊走子形成初期から急激に増え始め、遊走子が動く時期に多く、細胞接着完了後次第に減少することが明らかになった。このタンパク質の細胞内分布を免疫蛍光染色を行い調べたところ、遊走子形成初期には母細胞の原形質分割領域に、遊走子では原形質領域に網目状に分布し、群体形成36時間後には細胞表面にわずかに分布することがわかった。細胞を蛍光色素DAPIと抗体とで二重染色すると、このタンパク質は主としてサイトゾルに分布することが示唆された。このタンパク質と遊走子の成熟、形態保持、運動、接着との関連が推測された。34kDaタンパク質を認識するモノクローナル抗体はVolvoxaureusPandorinaspの破砕液中でそれぞれ19kDa、40kDaのタンパク質を認識した。これらの緑藻は2本の鞭毛を持つ運動性の細胞からなる群体で、これらのタンパク質は細胞運動や群体形成に関与する可能性が示唆された。さらに抗体とプロテインG-セファロースを用いた免疫沈降により、34kDaタンパク質の精製に成功した。現在、N末端アミノ酸配列の解析中である。 次に、遊走子の細胞接着部分に局在する分子を見いだし解析を加えた。このタンパク質は17kDaと21kDaで、遊走子の原形質領域に点状にまばらに分布し、多面体の遊走子の時期に他の遊走子との接触部へ局在し始め、次第に量を増し、接着後数時間は細胞接着部分へ局在し、やがて見られなくなった。遊走子の接着時に接着部位に現われることから、遊走子の接着部位の決定および接着の遂行に関わる分子と推測された。
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