研究課題/領域番号 |
09740631
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
志賀 向子 大阪市立大学, 理学部, 講師 (90254383)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 概日リズム / ルリキンバエ / ペースメーカー / 複眼 / 脳間部 / 光受容器 |
研究概要 |
ルリキンバエの歩行活動リズムの特徴を明らかにし、それを駆動するペースメーカーと、リズムを光周期に同調させる光受容器の解剖学的位置を明らかにした。 昨年度、歩行活動リズムに対する複眼の"ぬりつぶし"と"切除"の効果が異なり、光受容器の位置についてはっきりとした結論を出すことができなかった。そこで、本年度、様々な光周期と照度を組み合わせた条件を用い、複眼を切除した個体の歩行活動を詳細に調べた。その結果、低照度では複眼のみを用い、比較的高照度では複眼と脳葉内の光受容器の両方を用いてリズムを光周期に同調させることがわかった。次に、ペースメーカーの位置を特定するため、歩行活動における視葉切除の効果を調べた。その結果、視葉切除後も、歩行活動が恒暗条件(DD)で自由継続し、明暗条件(12Ll2D)で光周期に同調する個体が現れた。これらから、ペースメーカーは視葉以外の場所、おそらく脳葉内に存在することがわかった。次に、脳葉内の脳間部を切除し、歩行活動を記録した。 その結果、この手術においても、数個体で歩行活動はDDで自由継続し、12Ll2Dで光周期に同調した。これらから、脳葉内のペースメーカーは脳間部以外の場所にあると考えられる。これまで、ハエの光受容器は脳葉にあり、複眼はリズムのための光受容に関与しないと報告されてきた。しかしながら、本研究により、同一種で異なる2つの光受容器がリズムの同調に関与する事が明らかになった。また、脳葉内ペースメーカーの候補として、脳間部を削除することができた。
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