研究課題/領域番号 |
09740633
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高久 元 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40236203)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | モンシデムシ類 / 便乗性ダニ類 / トゲダニ亜目 / ヤドリダニ科 / Poecilochirus属 / 分類 / 選好性 / 同胞種 |
研究概要 |
今年度は、北海道苫小牧でモシシデムシ類の採集を行い、その体表から得られたヤドリダニ科Poecilochirus属ダニ類の標本を用いて形態解析を行うとともに、本州、九州でこれまでに採集した便乗性ヤドリダニ類の標本を用いて分類学的研究を行った。 形態解析に関しては、苫小牧のマエモンシデムシNicrophorus maculifrons Kraatz、ヨツボシモンシデムシN.quadripunctatus Kraatzから得られたヤドリダニ科のPoecilochirus carabi G.&R.Canestriniの第二若虫を材料に用い、背板の長さ、巾、背板毛の長さなど計19形質に関して計測値をとり、そのデータをもとに主成分分析を行った。第1主成分から第3主成分(寄与率約70%)でグラフ化するとマエモンシデムシ上のヤドリダニも、ヨツボシモンシデムシ上のヤドリダニもほぼ重なり、明瞭なクラスターは形成しないことが解った。このことから、各シデムシ種上のヤドリダニは(少なくとも第二若虫では)形態的には明確な差がなく、同種と考えられた。しかし、最近、ヨーロッパにおける研究で、P.carabicomplexに属する種は形態的には雌の腹板の形質により識別できることが報告されている。今回は、第二若虫以外のステージ(成体など)に関しては充分なサンプル数が得られず解析ができなかったため、次年度に新たに採集、飼育を行い、ステージを揃えたいと考えている。また、本州、九州のサンプルを検鏡した結果、モモブトシデムシ属Necrodesの体表から、未記載種と思われるPoecilochirus属1種が見つかった。この種に関しては、今後、文献をよく精査したのち、記載論文を書く予定である。日本からは約30種のシデムシ類が知られているが、今回はこれらのうちの半数あまりを調べたにすぎず、今後の調査によりこれまで記録されていないダニ種が見つかる可能性がある。
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