研究課題/領域番号 |
09740649
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
國松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Macaca fuscata / Dentition(歯) / Jaw(顎) / Varation(変異) / ニホンザル / マカカ属 / 化石 / 種内変異 / 歯牙 |
研究概要 |
本研究においては、化石に見られる形態的変異の評価の参考とする事を目的に、日本国内において標本の豊富なマカク属のサル、そのなかでも野生由来の標本をかなり利用することのできるニホンザルを対象にして、化石として残りやすい歯牙及び顎の形態的変異を観察した。 観察にもちいた資料は、主に京都大学霊長類研究所骨格資料室に保管されているニホンザルの骨格標本である。この資料の構成は、同研究所で飼育されていた個体の割合が多いが、屋久島や小豆島その他、日本各地で採集された野生由来のニホンザル標本も相当数含まれている。 これらを対象にして、歯帯の発達、C6,C7などの副咬頭の出現、エナメルの異常などを観察した。たとえば、歯帯の発達などは、化石類人猿の研究でよく言及される特徴であるが、現生の同一種内でも、ほとんど現れない状態から明瞭に刻印された状態まで、かなりの変異が見られた。大臼歯の咬頭のエナメルがほとんど全面にわたって形成不全をおこしているような異常も幾つか観察された。 また、歯牙以外にも、硬口蓋の前方にある切歯口などは、中新世類人猿と現生大型類人猿の関係を論じるさいに注目されている形質であるが、ニホンザルー種のなかでも、広く開口しているものから、前顎骨が口蓋突起とほとんど重なるくらいまで延びていて狭い隙間を通してしか口蓋側から鼻腔内が見えないものまで、相当の変異が存在することがわかり、化石でこの形質を解釈する際には慎重さを要する事が示唆された。
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