研究課題/領域番号 |
09750010
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高西 陽一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80251619)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 液晶 / 強誘電性 / 反強誘電性 / NMR / 分子運動 / 高周波誘電率 / V字型反転 |
研究概要 |
液晶における強誘電・反強誘電性の発現に分子の運動性がどう関わっているか検討を行った。まず分子の各セグメントの各相における配向秩序と運動性を議論するため、部分重水素化した反強誘電性液晶のD-NMR測定を行った。詳細にスペクトルの解析し、アキラルアルキル鎖は分子長軸にほぼ平行なのに対し、キラルアルキル鎖は大きく折れ曲がっていることが明らかになった。さらに、キラルアルキル鎖は常誘電SmA相においても非常に大きな回転束縛を受けており、しかもその束縛方向は分子傾き面に対して非対称で、それは不斉炭素の影響によると推測できた。このことに関して、Journal of Physical Society of Japan(Letter)Vol.68(1999)pp.9-11に報告した。 分子長軸周りの回転運動に関して、13C-NMRによる反強誘電性液晶MHPOBCのT1測定から、自発分極に寄与するエステル基と不斉炭素の緩和挙動のみが常誘電SmA相と反強誘電SmCA^*相とで異なることを明らかにした。このことは分子全体の長軸周りの回転状態はSmA相とSmCA^*相で変わりがなく、SmA相でも分子は自由回転していない可能性を示しており、また相転移で特定の官能基が、分子間相互作用を受けて緩和状態が異なることを示唆している。この成果について、Japanese Journa1 of Applied Physics Vol.38(1999)p.147-150に報告した。 MHPOBCの長軸周りの回転挙動に関しては、周波数1MHz〜1GHzの高周波誘電率の測定を行って、その緩和挙動からも検討した。結果、自発分極のない常誘電SmA相と各層内に自発分極を有する強誘電SmC^*、反強誘電SmCA^*相で緩和周波数や強度に大きな違いがないことから、分子長軸周りの回転は各相でそれ程違いがないことがわかった。この結果はSmA相で自発分極をもたないのは、自由回転によるのでなく、回転束縛を受けているものの、個々の分子でその方向に秩序がないことを示唆し、これはNMRの結果とも整合する。またキラルアルキル鎖の炭素数の偶奇により強誘電、反強誘電が出現する材料について同様の測定を行ったところ、MHPOBCとは若干傾向が異なるものの緩和挙動に違いは見られず、長軸周りの回転は出現する相によってではなく、分子構造の違いによるところが多いことがわかった。 またV字型反転を示す反強誘電性液晶について、デジタルカメラを使用しての基本的な電気光学物性測定、組織観察を行い、特に配向膜の厚さが反転特性に大きく影響していることを明らかにした。この成果についてMolcular Crystals&Liquid Crystals Vol.322(1998)pp.337-342,Liquid CrystalVol.25(1999)in pressに報告した。
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