研究課題/領域番号 |
09750019
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 稔 神戸大学, 工学部, 助手 (00273798)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Si / Ge / ナノ結晶 / 不純物 / P / B / SiO_2 / 発光 / シリコン / ラマン散乱 / フォノ干渉 / フォトルミネッセンス |
研究概要 |
本研究では、Si、GeのIV族半導体ナノ結晶への不純物ドーピング技術の確立及びその評価技術の確立を目的としています。また、ナノ結晶中の不純物のドーピングに由来する物性変化を明らかにすることを目的としています。前年度は、不純物としてBをドープしたSiナノ結晶の発光を詳細に調べ、BをドーピングするとAuger過程による非発光再結合の割合が増加し、発光効率が低下することを示しました。本年度は主に、Siナノ結晶中にn型の不純物であるPをドーピングすることを試みました。その結果、Pをドーピングすると、Siナノ結晶のバンド端発光の効率が改善されることが明らかになりました。発光スペクトルの温度依存性を詳細に調べた結果、Pをドーピングすることにより、Siナノ結晶表面(Siナノ結晶とSiO_2マトリックスの界面)のダングリングバンドに起因する発光の強度が非常に弱くなることから、ダングリングボンドが減少していることが明らかになりました。さらに、発光減衰特性の測定から、ダングリングボンドの減少がバンド端発光効率の改善の原因であることを明らかにしました。過去に発表されているSiナノ結晶の発光効率を改善する方法は、ほとんどがSiナノ結晶表面を水素で終端するものであり、Pドーピングによる発光効率の改善の報告例はありません。以上の結果は、Siナノ結晶の発光効率を改善するための全く新しい方法を提供するものであり、非常に重要な成果であると考えています。
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