研究課題/領域番号 |
09750027
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠田 義晴 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20232986)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 光電子分光 / 表面準位 / リアルタイム / 半導体 / 光電子強度振動 / シリコン / 結晶成長 / その場観察 |
研究概要 |
本研究の目的は、リアルタイム光電子分光による新たな半導体表面準位同定法を開発することにある。そのため、薄膜結晶成長中に光電子スペクトルを測定でき、かつ同一装置、同一時間に角度分解光電子分光測定を可能にする実験装置の整備・開発を行なった。この装置を用いてSi(100)清浄表面の電子状態について実験・解析した。この表面はダイマーダングリングボンドに由来する表面準位が0.5〜1eVの結合エネルギーをもって存在する事が既に知られている。本研究によって得られた新しい知見等の成果を以下にまとめる。 1. 結合エネルギー0〜2eVの表面準位 光電子強度振動法により、上で述べたダングリングボンド準位とは別の新しい表面準位が1.3eVに存在することを明らかにした。この準位はバックルドダイマーによる局所的な長周期構造が存在し、これにより表面ブリルアンゾーンが折り込まれた効果と考えられ、本研究で得られた結果は妥当なものである。 2. 結合エネルギー2eV以上の表面準位 光電子強度振動法により、2eVよりも深い結合エネルギーに表面準位が存在することを明らかにした。これまで表面準位の研究に用いられてきた角度分解型光電子分光では深い準位はバルク準位に隠れてしまいその同定が困難であったが、本研究方法により明確に分離することに成功した。この新しく得られた準位は4eV付近に存在し、理論的に予測されていたダイマーボンドに由来する準位と考えられる。 以上の成果から本研究により新たな半導体表面準位同定法の開発に成功したと言える。
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