研究課題/領域番号 |
09750038
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (30241110)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | X線光電子分光法 / 水素終端Si(111) / 水素終端Si(100) / シリコン酸化膜 / ラジカル酸化 / O1s光電子エネルギー損失スペクトル / 構造遷移層 / SiO_2-Si / 価電子帯構造 / 界面遷移層 / 価電子帯端の不連続量 |
研究概要 |
始めに、水素終端Si(111)面および水素終端Si(100)面上に酸化膜を形成し、酸化の進行に伴うO 1S光電子の非弾性散乱によるエネルギー損失スペクトルの変化を調べた。酸化膜は、水素終端上に乾燥酸素中300℃で膜厚約0.5nmのプレオキサイドを形成し、このプレオキサイドを介して、酸化温度600-880℃で酸化膜厚が約2nmとなるまで酸化することにより形成した。試料の評価は・高分解能X光電子分光装置(Scienta Instruments AB製ESCA-300)を用いて、光電子の脱出角15゚でO1S、Si2P光電子スペクトルを測定することにより行った。酸化の進行に伴うO 1S光電子の非弾性散乱によるエネルギー損失スペクトルの変化から、1)酸化膜厚約1nm以上で、Bulk-SiO_2のバンドギャップ9eVを反映したエネルギー損失が現れ始めること、2)9eV以下におけるエネルギー損失の大部分はサブオキサイドに起因すること、3)構造遷移層におけるエネルギー損失のピークは8eV付近に存在することを見出した。すなわち、平成9年度にX線光電子分光法を用いて見いだした界面から約0.9nm以内のシリコン酸化膜の価電子帯の上端が、バルクの酸化膜のそれと約0.2eV異なる領域が存在すること、および本年度に明らかにした酸化膜厚約1nm以上でBulk-SiO_2のバンドギャップ9eVを反映したエネルギー損失が現れ始めることは、SiO_2/Si界面にBulk-SiO_2とは構造の異なる膜厚約1nmの領域、すなわち構造遷移層が存在することを示唆している。次に、ラジカルイオン源および酸素ガス流量調整用の超高精度制御リークバルブを現有装置に取り付け、酸化膜を形成した。現在、酸化膜厚0.8nmまでの測定を行い、酸化膜厚0.8nmまでではBulk-SiO_2のバンドギャップ9eVを反映したエネルギー損失が観測されないことを見いだした。
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