研究概要 |
光波の周波数領域での干渉効果について明らかにするとともに、これを各種光計測へ応用することを目的として,データ解析手法の確立および高安定な干渉計を実現するための理論解析および実証実験を行った.本年度行って得られた研究実績は以下のとおりである。 1.周波数領域干渉計測法における光学系の構成およびデータ解析法について,実験的・理論的に検討し,明らかにした. ・白色光源を用いた干渉計と分光計を用いて,周期的に変化したスペクトル(チャネルスペクトル)が広い周波数領域にわたって得られることを示した。 ・チャネルスペクトルの周期的な成分のみ抽出し、その周期関数の位相変調成分を解析することによって,分散測定が可能なことを示した. ・チャネルスペクトルをフーリエ変換法を用いて解析することにより,不要な干渉成分の除去,および,情報の多重化が可能なことを示し,実証実験を行った. ・測定分解能が,用いる光源の周波数帯域幅によって制限されることを明らかにした. ・測定誤差・精度が,主に用いる分光計の周波数分解能および確度によって決定されることを示した. 2.周波数領域干渉計測の応用実験を行って,その性能を調べるとともに,その有用性を確認した. ・複屈折単一モード光ファイバの多点型および分布型のセンサを構成して,動作確認を行うとともに,測定分解能と測定可能な条件を求めた. ・周波数領域偏波干渉計を用いて,複屈折単一モード光ファイバの偏波モード分散測定を行い,誤差について解析した. ・プリズムを用いて試作した高安定な周波数領域干渉計を改良し,測定精度を使用した分光計によって決まる限界値まで高めた. ・分散を示す試料[ガラス(BK7),色素(ロ-ダミンB)]の分散測定を行って、本手法による周波数領域干渉計測の有用性を確認した.
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