研究課題/領域番号 |
09750057
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 博司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (20239528)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 非線形光学 / 光導波路 / 第2高調波発生 / 光集積回路 / 光フィルタ / 光スイッチ / タンタル酸リチウム(LiTaO_3) / 分極反転 / 非線形デバイス / 周期分極反転 |
研究概要 |
本研究では、2次非線形光学効果による光波波長(周波数)変換を利用した、新しい導波型光機能デバイスの可能性を追究した。 2次非線形光学効果を利用すれば、ある周波数の光波(基本波)をその2倍の周波数の光波(第2高調波)に変換する、光波の第2高調波発生(SHG)が可能である。SHG変換効率は、基本波のパワーに比例し、また、鋭い波長選択性を示す。この現象は、見方を変えれば、入力された光波の出力を光波自身の光パワー、および波長に応じて、基本波、あるいは高調波の何れかのポートに切り替える非線形光スイッチ、あるいは波長フィルタとしての機能を持っていると言える。さらには、従来の2次非線形デバイスに新たな機能を付加して、例えば、波長変換器と非線形スイッチ・フィルタなどの複数の機能を併せ持った新しいタイプのデバイスを実現することも可能と考えられる。 本年度は、昨年度の成果に基づいて実際にデバイスを構成することを目指して研究を進めた。 ● 動作解析・設計 : 波長変換素子と分波素子を融合させた方向性結合器型デバイス、導波路分岐型デバイスについて考究した。ビーム伝搬法を用いた解析により、入力光のパワーと波長に対する動作特性を求め、解析結果を基にしてデバイスの設計を行った。 ● 試作・動作実験 : タンタル酸リチウムを用いて、プロトタイプデバイスの試作と評価を行った。位相整合条件の調節のために、周期分極反転構造を直流電圧印加法を用いて作製した。また、先導波路の作製には、プロトン交換法を使用した。光源にチタンサファイアレーザを用いて動作実験を行い、SHGを確認して、デバイスの基本動作を確かめることができた。しかし、試作デバイスではSHG変換効率が低く、良好なスイッチ・フィルタ動作を得ることはできなかった。高能率な光スイッチ・フィルタを実現するためにはより高い精度で分極反転構造を製作することが必要と考えられる。
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