研究概要 |
本研究の目的は、文献[1]で提案した遅延フィードバック制御法の(a)実験的検証、(b)ロバスト性の理論的検証、(c)高次元システムへの拡張であった。平成9年度、10年度で以下の研究成果が得られた。 (a)3種類の離散時間非線形回路システム(カオスチップ(NJH1101)回路、ロジスティックマップ、テントマップ)を構築し、制御法[1]をカイロで実装した。その結果、この制御法は良好に動作したことを確認した。 (b)改良遅延フィードバック制御のロバスト安定性を理論的に証明し、制御システムの系統的な設計手順を導いた。数値シュミレーションで理論的結果を検証した。この成果を国際会議(NOLTA '97.USA)で発表した[2]。 (c)流れのある高次元システムに制御法[1]を利用し、このシステムが制御できることを明らかにした。さらに、ロバストな制御システムの設計手順を示した。数値シュミレーションでこれらの理論的結果を検証し、外部ノイズによる影響を調べた。この結果を論文[3]にまとめ、米国物理学会誌に掲載した。 [1]K.Konishi et al.,Phys.Rev.E,Vol.54,pp.3455-3460(1996).[2]K.Konishi et al.,Proc.of NOLTA,pp.1097-1100(1997).[3]K.Konishi et al.,Phys.Rev.E,Vol.58,pp.3055-3059(1998).
|