研究概要 |
本年度は,成形試験および性能評価を行った.成形試験では,本年度製作した軸変位・内圧負荷制御試験機を用い,外径40mmと60mm,それぞれ肉厚0.3mmと0.4mmのSUS304パイプの成形を行った.フィラメントワインディング機によるGFRPの巻き付けは,熱硬化性樹脂+ガラス繊維,光硬化性樹脂+ガラス繊維の組合せで行った.初期に内圧のみ負荷し,中期に内圧と軸変位を同時に負荷し,後期に内圧を一定に保持しなから軸変位のみを増加する.3段階の成形経路を採用した. ベローズの波高さの80%が前期・中期の負荷により形成され,40mmのパイプでは約7mm,60mmのものでは約10mmの波を成形できた.また,本試験では4山のべローズを試作したが,それぞれの山が安定した変形を示し,波の山部がトロイダル形状のべローズが得られた.マトリクスとしては熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂の両方が使用可能であるが,熱処理行程を必要としない光硬化性樹脂を用いる方が,ベローズの生産性は良い.GFRP層のひずみを計測したところ,周方向ひずみの最大値は約0.2%であり,加工後は十分に補強リングとしての機能を有することを確認した. また,ベローズの伸縮性能を確認するために,圧縮試験によりバネ定数を求めた.その結果,本研究にて作製したべローズは,従来ベローズと同等のバネ定数を有していることを確認した.
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