研究概要 |
本年度は、50mum径の光ファイバープローブを用いて、差動型光ファイバー変位計の測定プローブ、電子回路等を試作し、また、幾何光学解析結果と実験値の比較を行った。試作した光ファイバープローブは、1本の照射ファイバーの周囲に6本の受光ファイバーからなる受光部Iを配置し、さらにそれを取り囲むように多数の受光ファイバーからなる受光部IIを配置した。全体のファイバー束の直径は1.1mmとした。半導体レーザー光を焦点距離20mmの収束レンズを用いて照射ファイバー端面に入射角thetaで入射させ、受光ファイバーIおよびIIからの受光電力P_IおよびP_<II>をフォトダイオードで検出し、これらの和P_<II>+P_Iおよび差P_<II>-P_Iおよびそれらの商をアナログ電子回路で演算し、出力する。また、購入した分解能0.6nmのリニアマイクロエンコーダーを既設の校正装置に組み込んだ校正装置により、十分な分解能で試作した変位計の校正を行った。 幾何光学解析は、研究代表者らが開発した手法(Appl.Opt.,35(34),6767(1996))に基づき、これを拡張して適用した。その結果、幾何光学解析結果は実測値とほぼ完全に一致し、レーザー光を用いた差動型光ファイバー変位計においても、幾何光学解析が可能であることが確認できた。また、反射率が異なる3種の被測定面(金蒸着面、カーボンコートされたアルミニウム面、ビデオテープ)に対して、商出力が反射率の影響を受けないことが確認できた。得られた変位計の周波数特性は、1MHzにもおよび、高周波の振動測定にも適用可能であることが示された。
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