研究課題/領域番号 |
09750196
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
国次 公司 山口大学, 工学部, 教務員 (10253171)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | くぼみ付き流路 / 非正弦波的脈動流 / 共鳴促進 / 共鳴促進現象 |
研究概要 |
脈動流による移動促進に対する流量変動法の影響を数値シミュレーションで調べた。本研究ではくぼみ付き流路を用いて次のような変動法を検討した。 a) 平均流に対して正弦波状に変化させる場合。 b) 平均流に対して正弦波状に増大する半周期間のみを用いた場合。 c) 平均流に対して正弦波状に減少する半周期間のみを用いた場合。 くぼみ付き流路に対する過去の研究は、系の自律振動流に近い振動数で流量を正弦波状に変化させたときに低レイノルズ数の条件でも著しい熱・物質移動促進が得られる"共鳴促進現象"の存在を示しており、流量変化の波形を変化させたときにこれがどのように変化するかは興味深いことである。そこで、a)〜c)について、 (1) 共鳴現象が現れるかどうか、 (2) 圧力損失はどのように変化するか、 (3) くぼみ一流路間の流体交換速度はどのように変化するか、 の3点を検討した。 (1)については、両方の場合でa)の場合と同様、自律振動数付近の振動数で流量変化させたときに主渦強度にピークが現れることを見いだした。昨年度用いた、5次関数に従う流量変化の場合にも共鳴現象が発生したことを合わせると、共鳴現象は流量変動法と関係なく発生するといえる。 (2)については、圧力損失の時間平均値は、b)のケースではa)のケースに対して約一割ほど大きくなり、一方、c)のケースでは反対に約一割ほど小さくなった。また、自律振動数の付近で圧力損失が急激に増大する傾向は、a)〜c)の3者で共通であった。 (3)は、移動促進評価の一助として行ったものであり、b)およびc)の場合、検討した振動数の範囲で完全な正弦波状変化の場合に比べて交換速度が減少すること、また自律振動数付近ではb)のケースはc)のケースよりも交換速度が大きいことが判明した。しかし、自律振動数以下の圧力損失が急増しない振動数では、c)の方がb)の場合よりもかえって交換速度が大きいという結果になった。 以上の結果より、移動速度の増大のみを目的とするならば、自律振動数付近の振動数を用いて流量増大の方法を工夫することが有効であり、一方、所要動力の低減も考慮した効果的な移動促進法を探索するためには、流量減少の方法を工夫することが有効であることが示唆された。
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