研究概要 |
管内旋回流の空気・粒子流動特性におよぼす装置・操作条件の影響について,内径280mm,全長560mmの供試円筒を用いて実験的に検討をおこなった.装置パラメータとしては旋回羽根角から導かれる供給スワール数ならびに供試円筒中間に設置したオリフィス径(絞り比)であり,それらを変化させて,オリフィス前後における空気流動場を5孔ピト-管により詳細に測定し,装置パラメータと速度べクトル・圧力分布との関係について検討した結果,次の知見を得た. (1)管内旋回流中に設置したオリフィス径,ならびに供給スワール数の大きさにより,オリフィス前後の流れ場が種々変化し,装置条件により逆流・循環領域が形成される. (2)スワール数が大きい場合,強い旋回流が形成され,円筒中心軸と側壁付近との圧力差が大きくなり,逆流領域が形成される.また,スワール数が小さい場合,オリフィス径の影響が少ない. (3)オリフィス径が小さいほど,円筒中心付近の周方向流速が大きくなり,最大周方向流速の半径位置は円筒中心軸に近くなり,逆流領域が形成される.また,オリフィス径が大きいほど,オリフィス前後での速度ベクトル・圧力分布の変化が小さくなる. これらの結果は管内旋回流を利用した装置において,装置条件により,旋回流動場を自由に制御できることを示唆しており,今後さらに詳細な実験と数値シミュレーションを実施し,装置の理論的な最適化をおこなう.
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