研究課題/領域番号 |
09750206
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
|
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
中野 厚史 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (90217787)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 乱流 / 血流 / 大動脈 / 非定常流 / 間欠流 / 瞬時周波数 / データ収集 / 統計解析 / 振動流 / 血流乱流 |
研究概要 |
ヒト等の大型動物で大動脈内血流の乱流遷移が観察されており、遷移の発生は血中・血管壁に対する剪断応力の増加や物質輸送の増加が生じ、溶血・血栓・粥状動脈硬化等の成因と推測される。我々は、大動脈内に発生する乱れの時間空間的性質の変化を明らかにするため、正弦凌的振動をもつ振動流と周期内に静止時間を持つ周期的な間欠流をアクリルパイプ製の実験流路内に発生させ、静止時間の乱流遷移に及ぼす影響検討した。計測には微細型熱線流速計と16bitA/Dコンバータを用い、統計処理に十分なデータを収集し、ensemble-averageを基にした統計解析を行った。定常乱流で用いられいる各次モーメント関数を振動流への拡張を行い、更に瞬時スペクトルの適応や凍結仮説の適応し、波数空間での非定常乱流の構造の変化の検討をした。振動流の場合には、周期毎に乱流の発生がみられ、各種パラメータは遷移の直前に位相で特徴的な変動をし、乱流遷移後は一様等方乱流に近似した性質を示した。周期内に静止時間をもつ間欠流の場合には、その静止時間の長さに依存して流れ場の性質が大きく変化する。静止時間が流動期間の1/4程度までは、振動流とほぼ同様の性質を示し、静止期間が流動期間に比べて10倍程度のときには臨界レイノルズ数を遥かに越えるにも係わらず、乱流への遷移が観察されなかった。このことは、流れの乱流への遷移が周期的な現象である為に発生していることが証明された。また、流動期間の1/2〜4倍程度の静止時間の場合には、乱流への遷移する位相が静止時間と共に遅れる傾向が示された。また4倍程度の場合には乱流への遷移の位相は周期毎に変化し乱流の性質も不妥定な状態となる。なお、血流での静止期間は2倍に対応しており、実験データと動脈内データとの比較では類似した傾向がみられた。しかし、間欠時間の影響に関しては更なる解析が必要である。
|