研究概要 |
1. 水蒸気濃度分布測定用実験装置の改良 冷却面近傍における局所水蒸気濃度分布を測定するため,前年度に製作した赤外線の水蒸気による吸収減衰を利用する方法,および水蒸気濃度の変化による空気中の誘電率の変化を測定する方法に加え,光ファイバーを利用した測定装置の製作を行った. 光ファイバーの一方の端部を鏡面状に研磨し測定端とした.もう一方の端部よりレーザー光源(アルゴンイオンレーザー)を入射し,測定端において反射し戻る光の強度を測定する.測定端における外部の屈折率の変化(空気中の水蒸気濃度に依存)に依存して変化する反射光量により水蒸気濃度の測定を行った. 2. 凝縮機構の理論解析およびパラメータサーベイ 冷却面の性状を考慮に入れたミスト発生および凝縮機構の理論解析を行い,従来の温度境界層と水蒸気分圧による考察では説明されない固体表面の性状の影響を考慮した解析モデルを構築した.さらに,様々な条件に関して数値解析を実施した. 3. 研究成果および特筆すべき点 (1) アルゴンイオンレーザーを光源とする光ファイバープローブの利用によって,3波長同時測定が可能になり,より高精度の測定を行うことができるようになった. (2) 解析結果より,疎水性処理面では,ミスト発生量が無処理面の場合よりも大きくなる結果が得られた,この生成したミストが冷却面に付着せず流されることにより,後部において多量に観察される結果となる.本解析結果は,実験結果による傾向を良好に表している.
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