研究課題/領域番号 |
09750241
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
石丸 和博 岐阜工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60232344)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非平衡プラズマ / 化学的気相合成 / 方形波パルス / 無声放電 / 珪酸エチル / シリコン酸化膜 / 膜形状解析 / 反応解析 / 活性酸素種 |
研究概要 |
昨年度までの研究において、高密度半導体デバイスの層間絶縁膜に対応可能なシリコン酸化膜の合成を目的に、非平衡無声放電プラズマを用いた珪酸エチルと酸素を原料ガスとするリモートプラズマCVD(化学的気相合成)法を考案した。特に、印加電圧方式に低周波商用交流を用いた場合について検討し、高い段差被覆性、高い膜形成速度、そして平滑な表面性状を実現した。 今年度は、印加電圧方式に方形波パルス(250Hz)を用いた場合について検討した。この方式では、ガスの状態によらず印加電圧に対応した高い電界強度が得られるため、高い非平衡プラズマの形成が可能となる。この効果により、低周波交流の場合と比較して、より高い段差被覆性と同程度の高い膜形成速度(0.36μm/min)が実現され、本方法の有効性が明らかにされた。また、低周波交流、方形波パルス両印加電圧方式の基礎特性を把握するため、先の実験で良好な結果が得られた投入電力、反応ガス組成の条件において、放電空間での反応ガスの滞留時間、および基板温度の影響を調査した。この結果、両印加電圧方式とも、膜形成速度は、滞留時間の増加、基板温度の上昇とともに増加するが、次第に飽和または減少傾向を示し、表面性状は、滞留時間の増加、または基板温度の低下とともに、凹凸の激しい状態へ変化することが明らかになった。この傾向は、形成される膜前駆体の量と移動度の高さに影響されたものと考えられる。 さらに、本CVD法による膜形成機構を解明するため、シミュレーション解析を行った。反応解析は、定常放電モデルを用いて、生成化学種の保存式を解くことによって行い、膜形状解析は、分子論的モデルを用いて、モンテカルロ法により行った。この結果、高い活性酸素種の存在割合と膜前駆体の高い表面拡散効果によって、高い段差被覆性が得られることが明らかになった。
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