研究概要 |
1. 昨年度試作したマイクロピッチラック(ピッチが120μm)に,同じピッチの駆動ブロックを尺取り虫的に噛み合わせながら,1/2ピッチ(60μm)ずつオープンループ制御で位置決めするマイクロピッチラックを用いた微動テーブルを改造し,1/4ピッチずつ(30μm)ずつ位置決めできる微動テーブルを設計試作した. 2. テーブルの改良点は,(1)駆動ブロックを尺取り虫的に噛み合わせる弾性ヒンジが,設計した方向だけではなく,他の方向に変形してしまうい,駆動ブロックがマイクロピッチラックに正確に噛み合わない不備を,弾性ヒンジの変形を拘束するガイドを取り付けることで改良した.また,(2)第1試作では8枚の駆動ブロックを尺取り虫的に動作させることで,1/2ピッチ(60μm)ずつの位置決めする構造になっていたが,位置決め分解能を1/2ピッチより小さくするために,伸長用の圧電素子を2分割して8枚の駆動ブロックを4組2枚ずつ,互いに独立してマイクロピッチラックに噛み合うように改良し,1/4ピッチずつテーブルが移動するように改良した. 3. 位置決め実験を行った結果,試作改良したテーブルは,オープンループ制御だけで,1/4ピッチずつ位置決めでき,単純移動誤差で2.0μm,隣接移動誤差で3.2μm,累積移動誤差で3.2μmであった.また.位置繰り返し精度は±1.5μmであることをか分かった. 4. 本研究で当初目標としたピンチが10μmのマイクロピッチラックは,技術的に制作できなかったので,ピッチが1.6μmの回折格子をマイクロピッチラックとする精密ステージの試作を行い,3枚の回折格子を同一平面上に組立て,かつ,格子方向を平行に組立てる手法を考案し,回折格子駆動ユニットが尺取虫的移動に移動できることを確認した.
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