研究概要 |
本研究では,誰もが簡単に使いこなせる簡便かつ安全で高機能な情報提示システムの構築を行うことを目的としている.そこで,昨年度は,応答性の良い6自由度のフォースディスプレイを開発した.本年度は,開発したフォースディスプレイの改良を行うと同時に,評価を行った.さらに本フォースディスプレイをグラフィックスシミュレータに接続し,高度な臨場感を提示可能な遠隔操作システムを構築した.また,開発したフォースディスプレイをドイツ航空宇宙センタ(DLR)に持ち込み,東北大学にあるスレーブアームをインターネットを経由して遠隔操作し,システムの有効性を検証した. フォースディスプレイの改良点を以下に示す. ・ 必要とする加工精度が取れず,機構剛性が低くなっていたため,並進部,回転部ともに設計を見直し,剛性を高めた. ・ 高い精度を出すために削り出しにより加工していた部品を分割し,加工性を高めた. 構築した遠隔操作システムの特徴を以下に示す. ・ 計算機内の物理モデルに基づいたシステムであるため,時間遅れがあってもオペレータはフォースディスプレイを通して力感覚を得ることが可能である. ・ 接触力だけではなく,スレーブアームの可操作性をオペレータに力情報として提示可能とした. ・ スレーブアームに比べると作業領域の小さいフォースディスプレイを用いてスレーブアームの操作を実現するため,仮想グリップと呼ぶ新しいヒューマンインタフェースを導入した. ・ フォースディスプレイを用いて視点を自由に変更できるシステムを構築した.
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