研究概要 |
「人間に優しい機械・道具」とは,人間の身体の構造や特性にマッチングする機能・メカニズムを持つものと考えられる.したがって,我々は人間中心(主体)にものごとを考え,ものをデザインすべきである. 本研究ではその具体例として,自転車のクランク漕ぎ動作を解析的に評価する方法を開発し,この方法に基づく自転車の設計における様々なパラメータやペダリング軌跡の最適値を決定できることを示した.この方法によれば,ライダーの個人差(体格,筋力特性など)を考慮した自転車の設計やトレーニングが可能と期待される. 一方,半径/長さ可変型クランク装置を開発し,ペダリング軌跡を従来の円形から非円形にすることによって得られる運動特性の変化は,上記の解析的評価法によれば,数%の向上が期待できることが確認された. この可変型クランク装置は,運動効率の向上だけでなく医学的な下肢不同障害をもつ身障者のリハビリ運動機器,または移動手段の駆動力伝達装置としても有効である.
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