研究課題/領域番号 |
09750412
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 英一 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60252475)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 移動体通信 / フェージング / 同一チャネル干渉 / 干渉キャンセラ / 試作 / PLD / 室内実験 |
研究概要 |
本研究では、トレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラ(TCC)のハードウェア化に関する検討を行った。TCCは、従来直交化不可能と考えられてきた同一周波数の無拡散信号に、ほぼ完全な直交性を時間領域において付与するものであり、今後、ランダムアクセス方式におけるパケット衝突対策などさまざまなシステムへの適用が期待できる。 今年度は、昨年度試作したTCCの室内伝送実験を行った。このTCCはもっとも簡単な構成である4状態TCCではあるが、遅延波の等化、干渉波のキャンセル、トレリス符号化の復号、伝搬路の初期推定、伝搬路変動への追従、ダイバーシチ受信機能を備えている。このTCCを室内実験系に組み込むにあたって必要となるAGC(AutomaticGainControl)を設計し、TCCと同一のFPGAチップに組み入れた。このAGCは、フェージングによる大きな振幅変動に対応して、処理すべきディジタル信号のビット位置を決定するものである。今回試作したAGCでは、理想的な動作を実現するために、1バースト長のデータメモリ(FIFO)を搭載した。 室内実験は、615ksymbol/secの変調速度で行われたが、試作したTCCはこの信号をリアルタイムに処理できた。信号がAGCから供給されてから復号結果が出力されるまでの処理遅延は僅か8μ秒である。室内伝送実験によって確認された誤り率特性は、計算機シミュレーション結果と良く一致しており、TCCが615kbpsの高速伝送において動作することを証明した。
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