研究概要 |
平成10年度における,本研究の成果は以下の2つに分類される.まず,インターフェロメトリックSAR解析における特異点の探索のために,知識処理を用いる.この知識処理は.対象となる画素とその周辺の画素を対象に,人間の持つ知識を計算機上に記述したテンプレートを用い,特異点であるか否かを判読するものである.この処理を行う前に,ニューラルネットワークにより特異点をパターン分けする必要がある.ニューラルネットワークの分類結果に対し,知識処理による特異点のタイプ分けを行うこととする.この処理については,研究者が光学センサから得られた画像に対して土地被覆状況の解析のために用いる手法を従来より提案している.これまでに用いてきたデータ(LAFNDSAT/TM)に加え,さらに汎用性を検証するため,新たなデータ(JERS-1/OPS)を用いた実験を行った.その結果,従来のニューラルネットワーク単独による手法に比べて,処理精度の向上を図ることができた.この結果については.平成10年7月に米国のシアトル市で開かれた,IEEE主催の国際会議IGARSS'98(International Conference on Geoscience and Remote Sensing '98)にて報告を行った.次に.災害状況の調査のために,SAR画像から山地領域のみを抽出する手法の研究を行った.これには,ウェーブレット変換を用いることにより,ある領域内の濃度分散から山地領域と市街地とを切り分けることが可能であることを示した.この結果については,平成9年度に口頭で発表済みであり,現在.論文誌上に発表するべく準備中である.併せて,山地領域の地理状況を把握するため,2枚のSAR画像から標高を抽出する手法についても検討を行った.この結果については,四国大学附属経営情報研究所年報第4号誌上に掲載される予定である.
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