| 研究概要 |
前年度に試作した同一の測定部位の漏洩表面擬似縦波速度と音響インピーダンスを測定するシステムについて,本年度は,両測定値から弾性定数と密度を測定して骨粗鬆症の診断に応用するための基礎研究を行った.
1. 集束超音波振動子導入による音響インピーダンス測定の高分解能化 前年度の試作装置では,漏洩表面擬似縦波速度測定では集束超音波トランスジューサを使用していたが,平面波理論に基づく音響インピーダンス測定については平面超音波トランスジューサを使用していたため分解能が悪かった.そこで,集束超音波トランスジューサを使用した音響インピーダンス測定について測定精度が十分であることを実験的に確認し,音響インピーダンス測定の高分解能化を行った.
2. ヒトの脛骨に対するin vivo計測実験 ヒトの骨の中で比較的平面で測定の行いやすい部位として脛骨を選択し,実際に漏洩表面擬似縦波速度,音響インピーダンス,弾性定数,密度の非侵襲計測実験を行った.それぞれの測定値は,体外に取り出した骨について計測された文献値と比較して妥当なものであることを確認した.今後,効率良く測定できる様にシステムを改良し,骨粗髭症診断への応用について検討していく予定である.
3. 骨周囲の軟組織の影響とその補正法に関する検討 骨の周囲の軟組織の影響について検討し,超音波トランスジューサの移動方式として,骨の表面に垂直な方向ではなく骨の表面に平行に移動する方式に変更すればよいことがわかった.
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