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縦波と横波を用いた超音波非破壊高力ボルト軸力測定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09750556
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 構造工学・地震工学
研究機関大阪市立大学 (1998)
京都大学 (1997)

研究代表者

山口 隆司  大阪市立大学, 工学部, 助手 (50283643)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード高力ボルト / 軸力推定 / 音弾性法則 / 超音波
研究概要

本年度においては,前年度の研究成果を踏まえ,高力ボルトの軸力評価において最も重要となる,超音波伝播時間の高精度測定に影響を与える様々な因子について,横波を中心にさらに検討した.そして,これらの知見をもとに,実際に高力ボルトに引張力を作用させ,その時の伝播時間を高精度に測定し,1次元での音弾性法則に基づいて,高力ボルトの軸力評価を試みた.ここでは,高力ボルトの正確な長さが既知な場合に対応した縦波のみを用いた評価法と,公称長さのみが既知な場合に対応した縦波と横波の二つの波を用いる評価法のそれぞれを行い,橋梁接合部への適用の可能性について検討した.その結果,以下に示すような成果が得られた.
1. 縦波と横波の伝播速度の応力依存性については,どちらも線形関係が存在する.そして,M22(F10T)高力ボルトの音弾性定数としては,縦波1.134×10^<-5>(MPa),横波1.952×10^<-6>(MPa)がそれぞれ得られた.
2. シングアラウンド計測装置による超音波の高精度な伝播時間の計測は可能であるが,より高精度とするためには,(1)受信波のトリガー位置を載荷中においても一定に保つこと,(2)そのためには,分解能の向上の点から入射する超音波の振動数を5(MHz)以上とすること,(3)ボルトヘッドの変形に追随できる送・受信子固定治具を用いることなどに注意しなければならない.
3. 高力ボルトの公称長さをもとに,超音波縦波のみを用いる軸力評価法では,推定誤差±30%以内の評価が可能である.さらにこの精度を上げるためには,高力ボルトの無応力時での初期長さが必要であり,実際,この初期長さを既知として与えた場合,その評価は非常に正確となる.
4. 無応力時の初期長さを用いる代わりに,横波の伝播時間を与える,縦波と横波の2つの波を用いる軸力評価法は,横波の伝播時間が正確に計測できるのであれば,その推定誤差は,縦波のみの場合よりも大きく改善される.
5. 以上のことから,現状の高力ボルトの現場測定の精度を考慮すると,本研究で提案する超音波縦波・横波を用いる軸力評価法は,橋梁構造物等の高力ボルト接合部の軸力測定に適用が可能であり,軸力を解放することなく測定可能であるという点から,維持管理に適した測定法であると言える.
6. 今後は,現場での安定した横波の伝播時間測定が可能となるなような,治具,およびパルス波を入射できるような送・受信子の開発が望まれる.

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山口隆司,小林,上野他: "超音波縦波および横波を用いた高力ボルト軸力測定" 平成11年度関西支部年次学術講演概要. (印刷中).

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 山口隆司, 小林, 上野他: "高力ボルト軸力と超音波伝播速度に関する基礎的研究" 土木学会第52回年次学術講演会講演概要集. 第1部(A). 672-673 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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