研究課題/領域番号 |
09750600
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工水理学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山西 博幸 九州大学, 大学院工学研究家, 助手 (20240062)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 底泥 / 砕波 / 衝撃砕波圧 / 数値実験 / SMAC法 / 個別要素法 / 剪断強度 / 傾斜面 / 洗掘限界 |
研究概要 |
本研究は、河道断面確保の立場から、河岸に堆積した底泥除去の一手法として、波による洗掘を室内実験と数値計算により検討した。 まず、現地底泥のレオロジー的特性の一指標として、佐賀県六角川の河道側面に堆積した現地底泥を用いたベーン剪断試験を行った。このとき、撹乱・不撹乱試料ともに、含水比Wの増加とともに剪断強度τ_5が指数関数的に減少することから、τ_5をWの関数として表した。 次に、平成9年度に導出した傾斜面上の衝撃砕波圧算定式及びその際に使用した経験式の妥当性について、自由表面を持つ流れで圧力を直接取り扱う数値解法であるSMAC法により行った。SMAC法で計算されたマーカー粒子の挙動は砕波水塊が傾斜面上に突込む様子、水塊の跳ね返る様子、砕波する際に気泡を巻き込む様子などを再現した。また、砕波水塊の入射角θ、跳ね返り角γは、いずれも経験式との良好な相関を示した。さらに、SMAC法で得られた変動圧力は、同一条件下で衝撃砕波圧算定曲線から求めた値とほぼ同一であることを確認した。 波による底泥の破壊機構の解析には、個々の要素が接触時に力を伝達する要素ばねとその要素間の粘着性の効果を表す間隙ばねを組み入れた拡張個別要素法(EDEM法)を用いた。各パラメータは、現地不攪乱底泥を用いた一軸圧縮試験と数値計算の比較から値を定めた。また、繰り返し衝撃砕波圧が作用することによる底泥強度の脆弱化を考慮した。数値実験の結果、傾斜面表層部の要素群の多くは、表面上からはじき出され、衝撃砕波圧の作用領域では、間隙ばねの破壊が著しく、特に、第1突込点周辺では、亀裂が内部まで広がっている。間隙ばねの破壊された要素群は、戻り流れの作用により沖方向へ流されるものとすれば、間隙ばねの破壊状況から洗掘形状が推測される。これと洗掘実験結果はおおむね一致し、数値計算により底泥の洗掘形状とともに洗掘土量の概算も可能となった。
|