研究課題/領域番号 |
09750634
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浦瀬 太郎 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (60272366)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | ナノろ過 / 逆浸透法 / 廃棄物処分 / 浸出水 / 微量有害物質 / 重金属 / 環境ホルモン |
研究概要 |
廃棄物処分場中の有害物質として何が含まれるかについて、前年に引き続き、管理型処分場4カ所(うち、2カ所は、産業廃棄物中心)および安定型処分場3カ所について、浸出水の化学分析を行った。揮発性画分、不揮発性画分には、ビスフェノールAなど、前年度に検出されkものとほぼ同じ傾向であった。また、金属類については、ICP/MSを用いた調査をやり直した結果、前年度までに比べ、より正しい計測結果が得られた。 ヒ素は、ヒ酸、亜ヒ酸、有機のヒ素化合物(カコジル酸など)の形態をとるが、逆浸透・ナノろ過での阻止率のpH依存性の解析から、それらの物質のイオンとしての価数、およびイオンサイズが重要な阻止率決定要因であることが明らかになった。逆浸透膜・ナノろ過膜の表面でのドナン平衡、膜の中での輸送について詳細なモデルを構築し、ヒ素化合物の阻止現象について詳細な記述に成功した。 一方、分子サイズと阻止率との関係についてであるが、分子量という一元的な阻止率基準では、逆浸透膜・ナノろ過膜における阻止現象を十分に表せないことがわかった。分子幅という概念によれば、やや予測性は向上するものの、ベンゼン環を持つ溶質の阻止率は、概して糖類の阻止率より小さいことがわかった。浸出水で問題となるビスフェノールAなども、阻止率の低くなるグループであることがわかった。 分子構造シミュレーションによる分子の大きさの評価も行ったかが、分子の大きさ以外の因子、すなわち、膜と溶質との相互作用が阻止率に影響を与えていることが明らかになった。
|