研究課題/領域番号 |
09750647
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮村 倫司 東大, 生産技術研究所, 助手 (30282594)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | ガラーキン法 / 計算力学 / 構造解析 / 幾何学的非線形性 / 膜構造 / メッシュレス法 / エレメントフリーガラーキン法 / EFGM |
研究概要 |
膜構造の設計では、形状解析、応力解析、裁断図解析という性格の異なる数値解析が行われる。また、設計では最終形状を求めるが、施工時には最終形状にいたる過程を調査する必要があり、これも数値解析の対象となる。更に、竣工後のしわの除去や、張力再導入に対する解析も行われる。これらの解析では、有限要素法を用いることが一般的であるが、各解析について最適な要素分割が異なることも多く、メッシュ生成に多くの時間が費やされる。従って、最近盛んに研究されているメッシュレス法の膜構造解析への適用は非常に有意義である。 Belytschko等によって提案されたエレメントフリーガラーキン法(以下EFGM)もメッシュレス法の一種であり、本研究ではこの手法を膜構造解析に応用するための基礎的研究を行った。膜は非常に薄いために曲げ剛性が小さく、圧縮力に対してほとんど抵抗しない。そこで、何らかの方法により初期張力を導入して幾何剛性を付加することにより構造を安定化させる。また、柔軟な構造であるため大変形が生じ易い。従って、解析では幾何学的非線形性の考慮が不可欠となる。EFGMの幾何学的非線形解析への適用例は、今のところみあたらないため、最初にこのための基礎式を導いた。次にこの基礎式に基づいて、膜構造解析用のプログラムを作成し、簡単な曲面膜構造の解析を行った。本プログラムにより(1)節点分布のみによりモデル化が可能である、(2)有限要素法に比べて応力の精度が良い、というEFGMの性質が大変形解析においても保持されることを確認した。更に、剛性行列の固有値解析により、膜のしわの分岐解析を試みた。以上によりEFGMが一連の膜構造解析に適用可能であることが明らかとなった。
|